チリン、チリリン

春の木漏れ日の中。
黒いローブを着た幼い少女が腰についた鈴を鳴らしながら、住宅街を歩いていた。

「あら。憎しみのココロ。」

少女は喧嘩をしている黒い猫にそっと触れた。
途端に黒い猫は一瞬で闘志をおさめた。

「ふぅん…。まぁまぁの味ね」

少女はまた歩きだす。
春の微風に揺られて、
鈴が鳴る。

少女は再び歩きだした。

チリン、チリリン―…