それから10分後―

アイツは、教室へ戻ってきた。

アタシは、気になって仕方なくてアイツに聞いてみた。

「―さっきの子…何だって?」

そう聞くアタシにアイツは、一瞬視線をちらっと向けてきた。

――う…ッ。

今、アタシを見たアイツの目。

ヤバイよぅ、もうカッコ良すぎ!

「別に…何でもねぇーよ」

そう言ってポンッとアタシの頭を軽く小突く。

何でもないなら、ちゃんと言ってよ…。

もしかして―
また、告白されたの…?

誠実はモテるから―。

そう言いたいのに、言えなくてただ通り過ぎるアイツの背中を目で追い掛けた。


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