妄想ホワイトデー《短編》

バイトの帰り道、俺は自転車を引きながら歩ちゃんに言った。


「14日なんだけど…二人ともバイト休みだし、晩めし食べに行こうよ。いい所があるんだ」


「えっ、本当?嬉しい!」


歩ちゃんはほっぺたを赤く染めて嬉しそうだ。


付き合ってはいるものの、一緒に帰るくらいで、ちゃんとしたデートなんてしたことなかったからな。


喜んでる歩ちゃんを見ると、俺も最高に幸せな気持ちになれるんだ。




ホワイトデーは、いっぱい喜んでくれるといいなぁ。


やっぱり…手、くらいは繋がないとな。


プレゼントを渡したら、歩ちゃんは俺に抱き着いてくるかもな。


そしたら…。


ちゅ…ちゅうを…しちゃったりして…。


その後は…。


いや、まだ…まだ早いよね?


でももし、そんな雰囲気になったら…。


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………………………。