妄想ホワイトデー《短編》

「ダメだよ!名前がばれたら、どこの高校かわかっちゃうかもしれないでしょ。そしたら…大変だよ!」


「どう大変なの?」


「もう、歩ちゃんは世間知らずだなぁ。高校がばれたら、毎日校門の前で待ち伏せされて、そのうち車に連れ込まれて、変な薬を飲まされて、風俗に売られてしまうかもしれないよ!そして……うぅ……もうこれ以上、俺に言わせないでくれぇ」



涙目になった俺を見て、歩ちゃんは溜め息をついた。



「もう、いいです。俵山米子で…」




とりあえず俺は、歩ちゃんを守ることに成功した。