「ねえ、君、歩ちゃんって言うんだ?どこの高校なの?」


レジを打ってる歩ちゃんに、S高の制服を着た男が話し掛けている。



むむっ!


俺の歩ちゃんを気安く名前で呼びやがって。



俺はすかさずレジに入ると、そいつの買ったペットボトルにシールを貼り、差し出した。


そいつは俺を睨むとチッと小さく舌打ちをして出て行った。



「雄大くん、ありがとう!助かっちゃった」


歩ちゃんが俺にかわいい笑顔を向ける。


このかわいい笑顔は俺だけに見せて欲しいよ。


本当は…たとえ営業スマイルだって、他の誰にも見せて欲しくないんだからさ。



付き合い始めてから、歩ちゃんは俺を下の名前で呼ぶようになって…。


歩ちゃんは俺のもの!!


って、喜んでいたところだったのにさ。