妄想ホワイトデー《短編》

歩ちゃんの家の前に着くと、俺は電話をかけた。


すぐに歩ちゃんが外に出てくる。


「雄大くん…昨日はごめんね」


「歩ちゃん…。俺こそごめん!話もろくに聞かないでさ」


「ううん…誤解させた私が悪いの」




すると近付いてくるバイクの音。


そいつは俺達の横で停まり、ヘルメットを脱ぎながらこう言った。


「なんだ?痴話喧嘩か?」



ああっ!こいつ、昨日の!?



「お兄ちゃん!」



そう!お兄ちゃん!



………。



お兄ちゃん!?