妄想ホワイトデー《短編》

俺は早足で自転車置き場に向かいながら、昨日の歩ちゃんのメールを開いた。



『心配させちゃってごめんね。だけど信じてほしいの。
雄大くんが好き。
雄大くんだけが好き。
大好き。
明日はずっと待ってるね。』



歩ちゃん…。


歩ちゃん、ごめん!


話も聞かないで、勝手に決めつけて。


まだ…待っててくれるよね?




俺は自転車に飛び乗ると、全速力で走り出した。


電話やメールよりも、早く歩ちゃんに会いたいよ。


そして、ごめんって謝って…。


好きだって言うんだ。


歩ちゃんが好きだよ…って。