妄想ホワイトデー《短編》

先月のバレンタインデーから、学校内はカップルが増えた気がする。


幸せそうなその姿を見るのは、今の俺には酷すぎる。


だから俺は、今日一日、授業も聞かずに机に覆いかぶさって過ごした。




最後の授業が終わって、帰ろうとした時だった。


ズボンのポケットの中で、携帯がブルブル震えた。


相手は菊地。


なんだよ…直接言えばいいのに。


だけど、メールの文章を見て、俺は驚いた。