妄想ホワイトデー《短編》

「なるほど…ペンダントかぁ」


俺は歩ちゃんの首にペンダントをつけてあげる姿を想像した。


『歩ちゃん、とても良く似合ってるよ』


『本当?雄大くん…だ〜い好き!!!』


『おっと。そんなに急に抱き着かれたら苦しいじゃないか』



……………。



「えへっ、えへへ」




京子ちゃんが菊地を肘でつついている。


「ねぇ菊地くん。荒川くんちょっと変じゃない?一人でニヤニヤしてるよ?」


「気にしないで…いつもの…ことだから」


「いっつもこうなの!?大丈夫なの!?」


「害はないから大丈夫…」




俺は二人の会話が聞こえていたが、特に何も言い返さなかったし、怒る気にもならなかった。


だって…。


そんなの気にならないくらい、俺の気持ちはウキウキしてたから。