妄想ホワイトデー《短編》

放課後になり、俺は怠そうにしている菊地を急かして校門を出た。


「あぁ〜何をあげればいいのかな。菊地は京子ちゃんに何あげるの?」


「秘密…」



その時、俺と菊地の間に割り込む声が。


「ペンダントなんかいいんじゃない?」



「ペンダントかぁ〜。………って、おわっ!なんで京子ちゃんがここに!?」


「いいじゃん。菊地くんのいる所に京子ありってね!」


京子ちゃんが菊地の腕に抱き着いた。


「なんだよ、京子か…」


そんな菊地もまんざらじゃなさそう。



俺はそんな二人を見ながら聞いた。


「どうしてペンダントがいいの?」


「だって…好きな人からもらった物って、いつでも身に着けていたいじゃない?ペンダントだったら制服につけても変じゃないし」


そう言うと京子ちゃんは、楽しそうに笑った。