【短】雨がやんだら






胸に埋められていた顔を上げて


ぽろぽろと涙を零す雫。





「人の前で

泣かないって…決めたのに…」



そんなことをいう雫が

もっと、もっと愛しくて



「ばーか」



俺は雫の髪をそっと撫でた。



「もう、泣いていいんだよ」



そして笑いながらそう言えば

我慢を越えたかのように

泣き出す雫。