腕を引いて 雫を引き寄せて抱きしめた。 胸の中であわてふためく雫が 愛しくて仕方ない。 「好きだよ」 いうべきことは沢山あるのだけど 今は ただそれを伝えたくて。 その言葉を聞いた雫は ピタリと動きを止め、固まる。 「雫がずっと好きだった」 顔を見られていないのをいいことに 俺は素直に気持ちを表す。 そんな俺に対して しばし固まり続けた雫は 「なんで先に言うのー…っ」 震えた声で訴える。