今にも消えてしまいそうなその声に 俺は思わず雫の腕を掴んだ。 なんだか雫が 消えてしまうような気がして。 その行動に 雫は驚き目を見開いたけど にっこりと笑うと 腕を掴んだ俺の手を解き 小さなその手で俺のを包む。 「みんな傘に入ってるから あたしになんて気付かないだ 濡れないようにって 自分のことでいっぱいじゃん?」 そう、俺に問うのとともに 小さく首を傾げた。