「あたしさ、小さい頃泣き虫でさ? なにかあるとすぐ泣いちゃって 周りに心配かけすぎちゃうとこあって」 昔の自分を思い出すかのように 雫はどこか遠い目をして 窓の外の景色を眺める。 「強くならなきゃって、いつも思ってて 泣かないように頑張ってた」 そんな雫を 俺は黙って眺める。 「だけどやっぱり どうしようもなく悲しいときとか 我慢出来なくて… 雨の中で、大泣きしたことがあるの」 窓の外を見ていた視線が 俺へと移る。 そして俺のと 必然と絡められた。