ずいぶんと綺麗になったその女は
だけどあの頃と変わらない顔をする女は
もちろん雫で
「…なんで、いるんだよ?」
やっとの思いで
口をついた言葉は、緊張のあまりに冷たくなってしまった。
”久しぶり”とか
”雫じゃん!”とか
もっと愛想のいい言葉を言えなかったものかと
言ってから後悔する。
だけど
「七先に会いにきたんだよ」
雫のこんな台詞で喜んでしまう俺って
単純だよな。
でも、仕方ねぇんだ。
だってずっと会いたくて、
ずっとずっと会いたくて、
4年間ずっと
俺はその想いを抱いてきたんだから。
な?
仕方ないだろ?


