【短】雨がやんだら






雫は、笑っていた。



寂しげなわけでもなく

楽しげなわけでもなく



教師をやってきて

いろんな人と触れ合ってきた俺だけど





この時の雫の笑顔ほど

よくわからないものはなかった。





「てかさー」


彼女たちにとって

さっきの会話はもう過去なのだろう。



コロコロと話題を変える彼女たちに

雫はもう一度静かに笑って




俺の側をそっと離れていった。