「なんでそんなに 雨が好きなわけ?」 隣を歩く雫に 俺は少しだけ傘を傾けながら聞いてみた。 「あれっ? 言わなかったっけ??」 そんな声とともに俺を見上げた雫は 目をぱっちりと開き、驚いているのがわかった。 「聞いてねぇし」 あえて拗ねたような声を出してみる。 雫はそんな俺の態度に、一瞬、さらに目を見開くと 「七先かわいい〜!!」 精一杯の背伸びをして 俺の髪をぐしゃぐしゃと触る。