その間に彼は覚醒剤に手を出し始めた。


家には注射器が転がっている。


欲望は止まらなかった。


初めは焙りだった。


アルミホイルを細長くしてシャブを置き、下からライターに火をつける。


出てきた煙を逃さずストローで吸うのだ。


脳がとろんとしてくる。


目の前がしらみがかる。


同じ事を何度も何度も猿のように繰り返す。


欲望は止まらない。


左腕を縛り、注射器を刺してもらった。


“脳が腐る“とはよく言ったものだ。


そのとおりだった。


グニャングニャンになった。


ベッドに横たわれば、体はどんどん沈んでいった。


下へ下へ。


ベッドが真ん中で折れ、シーツが私の体を包む。