偏見かも知れないが、俺はあまりアイドルとかが好きじゃない。自分はかわいいからアイドルになって当然だ、みたいな感じがするからだ。


『かわいいね~、肌も白いしまつ毛長いし。うらやましいな~。』


「空まで…、やめとけって…。」


すると小海が俺たちのところに来た。空と大地はテンパっていた。


「あなたたち高校生?」


よく通る、落ち着いた声だった。


『え、あ、えっと……』


空はもうパニクってんな。


「えぇ、1年です。葵小海さんですよね?」


周りを気遣って小声で言った。


「あ、やっぱり気づいてた?でも優しいね、分かってて小声で言ってくれるから。」


ニコッとした笑顔に大地は気絶しそうだった。


「私も16歳だから敬語使わなくていいよ。それと…よかったら、ちょっとお願いがあるんだけど、聞いてもらえる?」