妹彼女

みんな一斉に山の中に入り、おかずカードを探しに行った。


『私たちも行こうよ?兄貴。』


「まぁ待て、こういうのはがむしゃらに探すより、ちゃんと考えた方が効率がいい。」


いくら争奪戦といえど、危険なところにあるはずがない。
仮にも隠したのは教師、今いる教師は10人、性格と体格を分析して隠せる場所の仮定と可能性を模索する。
山の中とはいえ3時間という長さ。
カードというからには水辺には無い。



以上をふまえて、とりあえず目先の可能性に挑む。


『……兄貴?』


教師陣たちのところに行く。


「良川先生、カードは10人の先生がそれぞれ隠したんですか?」


返答によってはすぐにカードが見つかる。運動音痴兼ひ弱で文化系の田島先生がいるからだ。


「あぁ、一人一枚渡されて各自隠した。それがどうした?」


「へぇ~……」


田島先生に近づき、じっと見つめる。


「な、なにかしら?風羽君……」


やっぱり目を反らす。建物内が範囲外なら隠せるところは一つ。


「田島先生カード持ってるでしょ?出して下さい。」