ケーゴが息を切らして、リビングのドアを開けると一斉に視線が注がれた

「ウッ・・・」

思わず、ドアを閉めようとするケーゴに

「おかえりなさ~い」

猫なで声の方をチラッと見ると、目が笑っていないりんの姿

近くにいる父親をチラッと見ると、すぐにそらされ、その隣に座っている母親は暢気に自分に手を振っている

「・・・・・」

頼りにならないのはわかっていたけども・・・ケーゴはため息をつき、覚悟を決めリビングに入っていった

何か言いたそうなりんだったが、まずは押している撮影を終わらせなければならないので、笑顔でケーゴを迎える

制服のままで良いというので、そのまま両親のとなりの一人がけのソファに腰を下ろした

インタビューの合間に何枚かの写真を撮って、自分に向けられた質問に答え、1時間ほどで撮影隊は帰って行った

ケーゴはホッとしながらも、今度はりんのほうを向くことが出来ない

「・・・・・」

「ケーゴちゃん? どうしたのかな?」

ケーゴがまずいなぁ・・と思っているとキッチンから聞こえる笑い声

どうやら自分とりん以外はこの部屋にいないらしい・・

「まっ そんなに怒ってないわよ? ちゃんと来たんだし・・」

ケーゴは恐る恐るりんに視線を移した

「なによ?」

ケーゴのその表情にりんがつっかかる