憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)

「じゃあどこだよ?」

「青学? 慶応? 早稲田? んーあとどこあったっけ?」

「・・・・・・」

「なんか言いなさいよ?」

「・・・・・・」

「全く・・ 冗談よ?」

「・・・・・・」

全く本音を言わないココにケーゴがずっと黙っていると

「そんなに怒らなくてもいいでしょ?」

とココがジーッとケーゴから視線を外さない

「誰にも言わない?」

ココの言葉に驚くケーゴ

「まだ、ジョーにもレン兄にも言ってないんだけど・・・」

ココはそこで言葉を切って、再びケーゴをじっと見た

「・・わかったよ! 誰にも言いません!」

ケーゴはそう言って、右手を顔の横に上げ誓った

「留学しようと思っているの・・・」

「は?」

「アメリカの大学に・・・」

「・・どこだよ? あんだろ? 希望」

ケーゴのその言葉に頷くココ

「ハーバードかエール」



ココのその言葉に再び騙されたと悟ったケーゴはしばらく無言でいたが、おもむろにテーブルに置いてあったコーラを一気に飲み、炭酸にむせ、顔を真っ赤にさせるのであった