「へぇ~ 」

北斗はココが迷わず指差した1枚が意外なものだったので、驚いた

「なんでそれにしたの?」

「ん~ なんとなく?」

「なんとなく? 」

言葉を復唱する北斗に頷いたココは

「確かに、この大きな海の中からの写真も、この青空もすきですけど、やっぱり私がこの赤が好き」

とココは夕陽で真っ赤に染まる世界を撮った写真の前に立った

「朝日の白も好きですけど、一日の終わりのこの色が好きです」

北斗はそう言うココの表情が見たくて、ココの前に移動してきた

急に目の前に現れた北斗に驚いて、一歩下がったココだったが、北斗はそれを無視し、ココの両肩をぐっと掴んだ

「は? なんですか?」

突然の行動に戸惑うココに

「やっぱり、君しかいない! さっきも言ったけどこの世界の住人になってほしい」

北斗の言葉の意味がわからないココの表情は困惑の色に変わっていく

「この写真、俺が撮ったものなんだ 楽園の写真を撮っているんだ 俺の写真に写る人物は、この楽園で実際に生活している人々だけだ 普段は別のところで生活している人間がこの中に写りこんだところでなんの意味も持たないと思っていた いや、今も思っている」

「・・・・・」

「でも、俺はどうしても君を撮りたい」

「・・・・・」

「俺の世界に君という存在を生み出したいんだ」