憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)

「俺には子どもいねぇから、親の気持ちつーのはイマイチわかんねぇけど、兄貴の気持ちならすげ~わかるよ?」

とガクはココは何も言っていないのに、携帯を見て固まる様子を見て笑った

「マジでヤバイ・・・」

ココはそんなガクの言葉が耳に入っているのか、いないのか、恐る恐る携帯をコールする

♪♪♪・・・・

ガチャ


「お前! 今どこにいんだよ!! やべぇぞ! すげー機嫌悪りぃ!! つーか、仕事になんねぇんだけど!!」

「やっぱり・・・ 今、AQUAにいるんだけど、ふたりには何とか言っといてよ?」

「はぁ!! 無理だって!! バカジョーはどうにかごまかせてもレン兄は無理だって!!!」

「私も無理なの!! とにかく、よろしくね!! 頼んだからね!!ケーゴだけが頼りなんだから!!! 」

とココは言いたいことだけ言って、携帯を閉じた

その様子をカウンター越しに見ていたガクは

「流石だね~ 今の圭吾?」

ガクの言葉に頷くココ

「だよね~ レンに掛けても、ジョーに掛けてもウルサイだけだもんね~」

とガクはおかしそうに笑った

そこへ

「ココ~」

やってきたのは姫花

「ママ?どうしたの? 撮影は?」

「アニキからココがここで寝てるって連絡入ったのよ? 撮影はちゃんと終わらせてきたから御心配なく」

姫花はココに笑顔を向け、カウンターに腰を下ろした