憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)

ココは堀君をチラッと見ただけで、また直に視線を窓の外に戻した

「なんか、見かけが変わると中身まで変わっちゃうの?」

堀君は楽しそうだ

「・・・・・・」

「ちょっと前までは、嬉しそうに話してくれたじゃん」

「・・・・・・」

「なぁ~ いい加減に無視すんのやめてくんない? こっちにも限界ってもんがあるんだけど?」

声色のかわった堀君を見るココ

「おっ 反応した!」

「もう、ボランティアは必要ないわ そういう押し売りは遠慮してるの」

ココは堀君の目をまっすぐに見て言った

「え?」

一瞬なんの事か理解できなかった堀君は、すぐに視線を泳がせた

「知らないとでも思ってた?」

ココは黙って立ち上がった

ココと堀君の身長はそんなに変わらない

「もう、ボランティアはいらないから 二度と近寄らないで、話しかけないで」

そう言うとスクールバックを持ち、ココは教室を出て行った