憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)

「へぇ・・・・ やってくれたな」

ケーゴの声は驚くほど冷たい

「圭吾・・ 」

先に進もうとしていたレンが、ケーゴの肩に手を掛けた

「・・・・・」

ケーゴは無言でレンを見上げた

レンは、そのまま視線をココに落とした

「ココ・・ どうしたい?」

レンは笑顔だ

「どうって・・・ どうも?」

とココ

「どうも?」

とレンが聞き返す

「何もしなくていいって事」

とココは腕を組んで、堂々とレン言った

「何もしなくていいって! 髪切られて、バカにされて! 悔しくないのかよ!!」

とケーゴは立ち上がった

「どうでもいい・・ 二度と関わりたくないし・・・ 帰る・・」

ココは、振り返り歩き出した

この状況を取り囲んでいた人垣がサーッと引いていく

「ちょっと! 待てよ!! ココ!!」

ケーゴが慌ててココを追いかけていく

「だって・・お嬢さん方・・」

と今度はレンが膝を曲げて女の子たちの目線にあわせた