憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)

自室に戻ったココは、ため息をつき、課題を取り出した。

演技の学校といっても、まだまだ英語に不安が残るココは、辞書片手に教科書を端から訳していく

ただ、がむしゃらに演技を学ぶわけではないのだ

声の出し方、ダンスや様々な演技について習得していく

きっと日本語で行われていたとしても大変であろう内容を英語で受けるのだ

予習・復習を欠かした日には、どうなるか、恐ろしくて想像もしたくない

「よし!!」

ココは気合を入れ、課題に取り掛かったのだった



コンコン・・

しばらくしてココの部屋をノックする

「ココ? 入るわよ?」


姫花が娘の様子をみにやってきたのだった

「ココ?」

机につっぷして寝てしまっているココを見て、思わず顔がほころぶ姫花

机に広げられた教材、そして、兄、弟との写真、その隣には頬をくっつけ笑いあうブライアンとの写真が飾ってあった

「姫花?」

そこへやってきた潤也

「寝てるのか?」

ココに目をやり、潤也も顔がほころぶ

「がんばってるんだね」

「そうだな・・ 」

潤也はそういうと、娘をベットに移動させた

「しかし、重くなったな・・」

「年頃の娘に重くなったはないでしょ?」

潤也と姫花はひとしきり、ココの寝顔を見た後、部屋を静かに後にしたのだった