ハンナに本当の事など恥ずかしくて言えないココは

「そういえば、さっきMrs.マーガレットが探してたよ?大会近いんでしょ?」

と話を変える

「え? あ! ヤバイ!! 忘れてた!!」

ココの言葉に焦ったハンナは

「今夜、電話するからね! 絶対出てよ!!」

とココに念を押しながら走っていった

「騒々しいなぁ・・ 相変わらず・・」

そんなハンナの後姿を見ながらブライアンがつぶやく

「ハンナとブライアンってどんな仲?」

ふとココの脳裏に浮かんだ疑問

「は? 仲って何?」

ハンナが去った方とは逆の方向に肩を並べて歩き出すココとブライアン

「なんか、仲いいし? ほら、私がブライアンと知り合ったのもハンナのお陰でしょ?」

ブライアンのパーティーに行くまでは、ハンナとブライアンが知り合いだとは聞いたこともなかったし、ふたりが学校で話しているのも見たことがなかったのだ

「プレスクールで一緒だったんだよ? で、高校に入って久々に再会?ってやつ?」

「ふ~ん・・・」

「何? 妬いてんの?」

ブライアンは自分のロッカーに教科書を入れている

ココはとなりのロッカーにもたれかかり

「別にそんなんじゃないけど・・」

口ごもるココに

「へぇ・・・ ハンナは数学の天才少女って騒がれていたから、すぐにわかったし、あっちも俺だって知っていたとは思うけど、別に話すこともなかったんだよ」

ココはブライアンの話に黙って耳をすます