「なんで? そんな所のお嬢様が公立の高校に通ってるの? なんていうか、もっとこうカチッとした制服の私立の学校とかじゃないの?」

とココ

「ん~ 確かにそういう学校に行って、将来の人脈の基盤づくりも大事だけど、うちはアニキが継ぐからそういうところは自由なのよ」

とハンナ

「へぇ・・・そうなんだ・・ 」

とひとり頷くココだったが

「とーこーろーで! なんでココの写真がその有名な写真家の個展にあったわけ?」

と大きな瞳をさらに大きく輝かせているハンナ

「え? あっと・・」

言葉につまるココは思わずブライアンを見る

ブライアンは何も言わずにココをみて微笑むだけ

あの日、約束どおり、噴水ショーが見れるレストランを予約しておいてくれたブライアンはまっすぐな瞳でココに問いかけた

「それで? 日本でのココはどんな子だったの?」

戸惑いつつも、両親と兄弟の事を話し、北斗の写真集の事まで話したココ

噴水ショーどころではなく、食事も進まなかった

心の葛藤までは話せなかったものの、ブライアンも突っ込んで聞いてくることはなかったのでホッとしたココだったが

「写真集として日本で出回っちゃってるって事だよね・・ 残念」

とココに笑みをみせたブライアン

「え!?」

「あの場にある写真を買い占めたけど、本になって売られてしまった分はもう買い占めることはできないから」

ブライアンの言葉に顔を赤く染めるココ

そんなココを見て、ブライアンは満足げに微笑むのだった

「ちょっと!ココ?何、考えてるの?」

そんなココを一気に現実に引き戻すハンナの声が部屋に響き渡った