「冗談なわけないだろ? 」

「でも、いくらになると思ってるの?」

焦るココに

「そのままでも十分かわいいのに、プロの手で魔法にかかった君の姿は全部独占したいんだ」

甘すぎるブライアンのセリフに、ココは真っ赤になり、そんなココがかわいくて、ブライアンは思わずココの髪にキスを落とした

そんな光景を目の当たりにした北斗は思わずため息をついた

そして、逃げるように

「彼女が少しでも写りこんでいるものも含めますか?」

と北斗はビジネスモードに切り替えた

すこし気まずくなったココは、逃げるようにふたりの側を離れ、北斗の作品を観ている

「あぁ・・ ココの影でも映りこんでいるものは全てね」

ブライアンはココを見ながら答えた

「そうなると・・・15点になります」

「数えなくてもスッと出てくるなんて、流石だね」

ブライアンの言葉に、一瞬固まる北斗だったが

「手続きに少し時間がかかるので、あちらでお茶でもいかがですか?」

と笑顔を見せた

「ありがとう・・ でも、この後の予定が詰まっているから、使いの者を呼ぶので、あとの手続きは彼としてくれないかな?」

とブライアンは北斗に名刺を差し出した

北斗はその名刺を受け取り、すぐに自分の名刺をブライアンに差し出した

ブライアンは、受けとった名刺を眺めたあと、それをしまい

「ココ、行こうか?」

とココに手を差し出した

迷わずブライアンの手をとったココ

ブライアンはそんなココを抱き寄せ、ふたりは北斗に見送られながら、個展を後にしたのだった