「ここかな・・・」

ホテルの大きな会場

ココはそこに飾られているポスターを見て動けなくなった

「ほら、これ・・ このポスターの写真はどこかの大富豪が数千万だしたらしいよ?」

とブライアン

ふたりの視線の先にあるのは、ココがモデルをする決意をしたあの北斗のアトリエに飾ってあったものだった

そう、北斗の個展だったのだ

「ココ? どうした?」

固まっているココを心配そうに覗き込むブライアン

「え? あ、なんかすごいなぁ・・って」

ココは苦笑いでごまかす

「だよな・・ 気に入ったのあったら俺も買おうかな・・」

ブライアンはパンフに目を落としながらつぶやく

ココはそんなブライアンの手をギュッと握った

「どうかした?」

少し強めに握ったココに気付くブライアン

一点を見つめるココの視線の先を追うと

「あ! あの人だよ! ほら、このパンフにも載ってるし」

北斗が立っていた


北斗とココの距離数十メートル 

しかしこの時、北斗は商談の最中なのかココの存在に気付いてはいなかった