飽きることなく、噴水のショーを見ているココに

「そんなに気に入った?」

とブライアン

「え? うん すごい綺麗・・ 」

「じゃあ明日、ゆっくり見るとして、あっちのホテルでNYで話題になった個展がやってるらしいんだ 見に行きたいんだけどいいかな?」

「え? そうなの? もしかして、それもう終わっちゃう時間とか?」

時計をチラッと見たブライアンに気付いたココ

「あと1時間くらいかな」

と苦笑いのブライアン

「ごめん、ごめん・・ じゃあそこに行こうか?」

とココはブライアンに微笑みかけ、二人は噴水前を後にした

世界一の賭博の街、沢山の観光客の中に多くの日本人がいたが、誰もココと気付く人はいない

「NYで話題になった個展って?」

カート販売のアイスを頬ばるココ

「写真とアートだよ? 無名だったけど、口コミで広まって、NYタイムズでも絶賛されたらしいよ」

「へぇ・・ すごいね!! 絵とかだと全くわからないけど、写真とアートってどんなだろ? 楽しみ!!」

「吸い込まれるような写真らしいよ? そうそう、確かココと同じ日本人だったよ?」

「そうなの? なんか親近感湧いちゃうなぁ・・ 」

ココのアイスを

一口ちょうだい

とブライアンはココが持ったままのアイスを自分の口元に運んでいく

「え? あ~もう! 付いてるし・・」

ほおばりすぎて、ブライアンの口についたアイスを拭いてあげるココ

バカップルの道を突き進むふたりに他の通行人もスーッと道を譲るのだった・・・