「サラッと毒吐くんだよね・・ それって、ココが私に興味を持たなかったら、友達になっていないって事でしょ?」

「それはお互い様でしょ? ジュジュだって私に興味を持ったからいまこうして一緒にいるんでしょ?」

「あ! そっか・・」

「さっき言ったでしょ?親も兄弟も有名だって・・・」

「え? うん」

「簡単に言えば、親や兄弟に近づきたくて、私に近づいてくる人もいるんだよね・・・」

「・・・・・」

「姫花の娘、東野潤也の娘、レンの妹、ジョーの姉・・・ 誰かの何・・じゃなくて、私をちゃんと見てくれる人が良いの そうして警戒していたら、ドンドン壁が出来て、誰もいなくなったんだ・・・ でも、最近思うんだよね・・ 求めてばっかりじゃんって・・ 相手に自分を見て欲しかったら、自分も相手を見なきゃダメだし、自分を見せなきゃダメだって・・・」

「・・・・・・」

「ジュジュといると色んな自分も見えてくるし・・・なんか、この学校に来て良かったな~って思うよ」

「なんか、ありがと!」

ジュジュはココに微笑んだ

「いえいえ・・」

ココもジュジュに笑顔を見せた

「でも、『この学校に来て良かったな~』なんてまだ4月なのに卒業するみたいじゃない?」

ジュジュの言葉にココの表情が一瞬だけ曇るが、ジュジュは気がつかない

「そう? 」

「そうそう!!」

二人が過ごす中庭を望む教室の窓から多くの生徒が今まで見た事のないココの笑顔に釘付けになっていることなど知らないふたりは、天気の良い日はこうしてお昼休みの時間を過ごしているのだった