ジュジュの処置で膨らんでいた足を切なそうに見た姫花は、再び校長と教頭へ視線を向けた

「数ヶ月前にも娘と息子に水をかけ、娘の髪を切った生徒がいましたよね?」

先ほどとは全く違う落ち着いた様子で姫花は口火を切った

「あの時、もう二度とこのような事がないように徹底するのでとそちらがおっしゃるので、一任したんです」

姫花の視線が校長、教頭に突き刺さる

ココが髪を切られ、ジョーとともに水をかぶった日、加害者である生徒達に対し何もしなかったのは、騒ぎを大きくしたくなかった学校側の強い要請に潤也が折れたのだ

何年も教育に携わっているプロが“もう二度と同じようなことのないように徹底する”と頭を下げたので、最後までレンは納得しなかったが、潤也に説得され、学校側の停学という処置にとどまったのだ

「申し訳ありませんが、もう黙ってはられません 前回と今回で同じ名前の子も数名いるようですし・・・ こちらとしてもそれなりに対処させていただきますので・・・」

姫花の言葉にそれまで俯いていた校長と教頭が頭を上げた

「あの・・」

何か言いたげな校長だったが

「もちろん、その責任者としまして、校長先生、教頭先生、そして彼女達の担任の方々もしっかり反省して頂きたいと思っています」

姫花はここで初めて笑顔を見せたが、教師達にとってこれほど怖い笑顔はなかった