保健室にひとり残されたジュジュは、最後に見せたココの笑顔に思わず自分も笑顔になっていることに気がつき、ご機嫌で鼻歌交じりに、使用した湿布やはさみを片付けていく

「やけにご機嫌じゃん?」

音も気配もなくふと耳元で聞こえた声に思わず持っていたハサミを落とすジュジュ

「危っぶね!!」

もう少しではさみはジュジュの足に刺さるところで、数センチだけズレたハサミは床に突き刺さっている

「ちょっと! 脅かさないでよ!!」

背後にいた聖紫朗を振り返って抗議するジュジュは、その距離の近さに思わず下を向いてしまう

「ジュージュ」

楽しそうな聖紫朗の声に、ジュジュが顔を上げると

聖紫朗との距離・・・ゼロ

優しく重なる唇にジュジュは瞳を閉じた


しばらくして、離れたふたりはフッと笑いながら少しだけ距離をとる

ジュジュは再び片付けを始め、聖紫朗は診察台に座って、その様子を見ている

「ココって噂と全然違って驚いた」

ジュジュの言葉に

「へぇー もうそんな風に呼ぶほど親しくなったんだ?」

「そうじゃないけど、好きに呼んでいいって言ってたし・・・」

ちょっと自信なさ気なジュジュに

「本人がそういうんだから、ジュジュの好きに呼べばいいと思うよ?」

と聖紫朗は笑った

これが、ココにとって初めてできた友達、聖紫朗と嬬寿との出会いだった