最期のご褒美

「おめでとうございまーす」
小さいくす玉がパカリと割れて、中から色とりどりな紙があちこちにばらまかれる。

「…これは」

一見中学生くらいの男の子だが、発せられる声はめちゃアニメな萌え声だ。
そいつが満面の笑みで、くす玉を持っている。

「あの…なにか?」

もう、勝手に鍵があいたことは置いといて、とりあえず何がおめでとうなのか、しかもこの子は誰なのか、そっちを解決させることが先決なような気がしてきた。

いかん。俺、かなり気が動転している。

「えー、では本題に移ります!松田ゆるくさん」

「…はい」

…はいぃっ!
何故俺の名前をしっている?こんな子供に知り合いはいないはずだがっ!

目をぱちぱちして何とか冷静さを保とうとするが、そろそろ限界だ。

意味がわからない。

「表彰状、松田ゆるく殿。あなたは人の役にたって、残念ながら命を落とします。生前の功績を讃え、ここに称します。はい、どうぞゆるくさん」

「…ありがとうございます」
じゃないだろうっ!

そいつから手渡された賞状を、まじまじと見てみる。
生前?

命を落とす?

って、俺今ちゃんと生きているし。

「これ、副賞です。お受け取りください」

手渡された封筒を開けてみる。