「ねぇねぇ、

繭ちゃんて俺が初めてなんでしょ?

彼氏♪」


冬にも関わらず、

日がサンサンと照る今日。


私は屋上にお弁当を持ちこんだ。


もちろん、

あの

「レンタル彼氏」

とやらもついてくるわけで…。


「まぁ……」


それは、

そうなんですけど…。




それより問題は……


「距離」




この距離はどうかと思います。


「……~~」


顔が近すぎて箸がなかなか進まない私は子供?


「繭ちゃんさっきからご飯、

まったく進んでないけど…


大丈夫?」


あんたのせいです!!

絶対あんたのせい!!


「………」


私がしばらく無言でいると


「?!?!…っ」


止まっていた腕を夏樹くんにすくい上げられ、

箸の間にあった卵焼きは夏樹くんの

口の中に消えていってしまった。