『それから俺はもう、美優に逢おうなんてことは考えないようにした』
なんで?と、京地の口が動く。
『確かに俺は美優のこと、好きだった。
でも…分かってたんだよ。
このままじゃダメだって。
そんなこと…重々承知してたんだ。
美優が俺のことを覚えていないなら…俺も忘れるチャンスじゃないか、
そう、思ったんだ。』
京地の目に軽蔑の色が浮かんだ。
軽蔑するならすればいい。
それは仕方のないことだから。
『真、勘違いするなよ
優作は美優を忘れたワケじゃない。
いつも頭の中に美優はいる。
けど、優作がそういう選択をしたのはちゃんと理由があるんだ』
涼が勝手に話し出す。
ったくコイツは…
俺のこと、なんでもお見通しなのかよ…


