『何逃げてんだよ?!
そう、涼に言われて俺は目が覚めた。
このたった一言
これが俺に勇気をくれた。
目が見えなくなるかもしれない彼女に会いに行く勇気をくれたんだ。
って、俺はどんだけ単純なんだ…
って話になるけど…まあ気にすんな。
で、1週間ぶりに美優に逢いに行った』
今でも覚えてる。
美優の病室に入る瞬間のあの、ドキドキ
もしかしたら美優はもう、俺のこと見えなくなってるかもしれない…
そんなはずないことは分かってるのに
そんな不安がよぎって。
でも病室にいた美優は
『アイツ、すっげぇー元気だった。
久しぶり!優作!!
なんて笑って言っててさ。
俺…めちゃくちゃ安心した。
何も変わってない
美優は美優だな、
って。』
あの病室を開けた瞬間の美優の笑顔は今も脳裏に焼き付いている。
あぁ…やっぱり俺はまだ何も忘れられていない
美優の笑顔も
美優の匂いも
まだ、覚えているんだ


