『ある日、突然廊下で美優…倒れたんだよ
すごい頭痛と吐き気に襲われたんだ。
で、そのまま救急車で運ばれた。
美優、そのまま入院になったんだ。
俺と優作、学校終わりに病院に行った。
どんな顔してんのかと思ったらアイツ、すっげー元気なの。
病気なんてよりつけませーん
くらいの勢いの元気良さ。
入院してるのがおかしいくらいだった。
そのあと、俺は帰った。
だから美優の病気がなんなのかはそのときの俺は知らなかった』
俺は息をめいっぱい吸い込み口を開く。
ここからは俺が話さなくちゃいけない。
全部、涼に話させるのはダメだ。
美優と向き合うために
俺は自分自身の口で言わなくちゃいけない。
『涼が帰ったあと、俺は美優のお母さんに呼ばれた。
なんだろうな…って思ってたら、
お母さんが急に泣き出したんだ。
どうしたんですか?
って俺が聞くとお母さん言ったんだよ
美優の目は…見えなくなる
って。』


