『今から話すことは誰にも口外しないでほしい。
できるか…??』
そう俺が聞くと京地は力強く頷いた。
相手が京地だから
きっと俺は話す決心ができたんだ。
コイツは俺の生徒。
そんなことは分かってる。
でも、京地のことは普通の生徒とは思えなくて。
なんだか後輩のような気がしてならない。
そんなことを頭のどこかで考えていると
『これは、俺と優作の大学時代の話』
涼が話を始めた。
きっと涼は判断したのだろう。
『優作は最後まできっちり、話すことができないだろう』
と。
俺も不安だった。
自分で話せばきっと、俺は泣いてしまう。
そう思ったから涼を同席させたんだ。


