「…………藤堂先生」
秘密の場所で一服中。
後ろから声をかけられる。
『どうしました?山崎先生』
振り向くと案の定、そこには山崎先生がいて。
「もう少しで…お別れです、この学校と」
山崎先生は俺の横に来ると呟いた。
『そうですね。
淋しく…なります』
山崎先生は来年度から新しい学校へ行く。
「どうしましょう…
絶対、伊藤先生のこと忘れられないですよ」
『大丈夫です。
忘れなくてもよくなると思うんで。』
思わずそう言ってしまった。
「え?それ、どういう意味ですか?」
不思議そうに俺を見つめる山崎先生。
そうだ。
山崎先生は涼がスキだってこと、知らないんだった。
と、思い出した俺は慌てて
『いや、なんでもないです。
で、どうかしました?』
と、話を逸らした。


