「せんせさ、その言葉、誰に向けて言ってんの?」
ギラッと京地の目が光る。
ギラッなんて表現ないかもしれないが、
現にギラッと光ったんだ。
『もちろんお前に、だ』
「だとしたらセンセ、まだあたしのこと分かってないね」
ふっと鼻で笑う京地。
もしかして俺、バカにされてる…?
「この向上心のないあたしに、
もっと勉強しろ、って言うのは
ゴールする気のないマラソンランナーに
死ぬ気で走れ、って言ってるようなもんだよ?」
……………?
『いやいやいや。
その例え話、微妙過ぎるから。
だいたいなんだよ…
ゴールする気のないマラソンランナー、って』
京地はうるさいなぁーと呟いて立ち上がる。
「センセ、決めたよ。
この1時間。
あたしはこの部屋を出て行かない」
はぁ?
何言ってんの、コイツ…


