「藤堂センセー!!
彼女、いるの??」
授業開始のチャイムが鳴る前に教室に着いた俺に話しかけてくる女生徒。
あーもう、その質問、聞き飽きた。
『いねぇよ』
短く、なるべくそっけなく答える。
「うわぁー!なんかマニュアル通りに答えます、的な感じ!!先生、ホントにいないの?!」
なんだよ…マニュアルって。
んなもん存在するワケないだろ?
と、心の中で半ギレしながら
『いない。本気でいないから
お前らは?彼氏いねぇの??』
これ以上聞かれるのはイヤで、話を逸らす。
「センセーそういうこと聞く??
聞いちゃうのー?!」
その女生徒は友だちと何か言いながら席につく。
え…結局答えてくれねぇのか??


