「はぁ…
やっぱりあたし、ダメだね」
京地は俺と目が合うと額に手を当てて、そう呟いた。
『どうしたんだよ?』
席に座り、さっきのように会話を始める。
隣で涼は楽しそうに聞いている。
「また、先生のこと…泣かせちゃった。
あたし、先生泣かせるの何回目だろ?」
この言葉を聞いた涼は大笑い。
反射的に涼の額を叩く。
うっさい。
笑うなボケ。
と、いう言葉の代わりに叩いたのだ。
案の定、涼には睨まれた。
でも気にしない。
『いや…まあ、気にするなよ』
言えたのはこれだけだった。
確かに京地の言う通りだ。
俺はいつも、京地の言葉に泣かされている。
「やっぱり…あたしみたいな子どもが突っ込んでいい話じゃなかったんだよね…」
京地はアリエナイくらい落ち込んでいて。
そんな京地にかける言葉が見つからない。
こういうとき、なんて言えばいいんだろう。
『真。あんま思い詰めんなよ。
優作も奈々ちゃんも、お前に感謝してんだから。』
涼は空席の京地の隣に座るとそう言った。


