涙を堪え、家に戻る。
『おーおかえり、優作!』
涼の顔を見た途端、張り詰めていた糸が切れた。
『ちょ…優作?!』
立ったまま泣く俺を見て涼は焦っている。
『…ごめん、涼』
どうしてだろう。
コイツの顔はイヤほど見ていて
見飽きて、見たくない、そう思うことだってあったのに。
なぜか涼の顔を見たら安心して、
堪えた涙が止まらなくて。
部屋に戻り、ベットに倒れ込んだ。
『ゆーさくー!
俺、ちょっと買い物行ってくるなー』
ドアの外で涼の声が聞こえた。
そして少し離れたところからまた声がした。
『俺、家にいないから。
大声で泣けよー!』
その声が終わったと同時に玄関がしまる音がした。


