「優作は…私と付き合わないほうがいい…!」
聞こえた声は震えていて。
足がすくんで動かない。
何をやってる…俺。
今、奈々のもとまで走って抱きしめればまだ、間に合うだろ。
分かっているのに体が動かない。
「優作は…もっと、もっと…素敵な人と…
優作にあった…人と…幸せになる…べきだよ…!!」
『なんで…っ』
なんで奈々がそんなこと、決めるんだよ。
俺にあってるのはお前だろ、奈々。
だから俺は…お前と…
「今まで、本当にありがとう。
もう、きっと…2度とこういう関係には…なれないと…思う。
だから…これからは…同僚として…お願いします…」
奈々はそう言って俺に背を向け、歩き出す。
俺は電柱を殴りつける。
まただ…
また、奈々は自分で決めて、自分で去っていった。
俺って…そんなに頼りない?
なんでそうやって、いつも、いつも、自分でどうにかしようとするんだよ…
美優のことも、
今回のことも、
2人で乗り越えなきゃいけないことなんじゃないのかよ…
なのに…
なんで…
なんでだよ…奈々っ!!


