奈々はゆっくりと目を開けた。
それと同時に俺は奈々の横に寝転がった。
「……ゆう…さく?」
奈々は心配そうな目で俺を見つめる。
『やっぱり今日は止めておこう』
そう言って俺は奈々に毛布をかけた。
『今、着替えとってくる。
今日はうちに泊まってって』
奈々を寝室に残し、リビングに戻る。
俺…バカだな…
なんで、忘れてたんだよ。
あんな大事なこと、忘れちゃいけないだろ…
奈々と俺との出逢いは衝撃的なものだった。
奈々が襲われかけてるところへ助けたのが俺だった、それが出逢い。
どうして俺は覚えてなかったんだろう。
そして、どうして俺は人の言葉に流されて体を重ねようとしていたのだろう。
洗面台で顔を洗う。
冷たい水が現実を教えてくれるようだった。


