俺はその紙をぐちゃぐちゃにしてゴミ箱に捨てた。
ホント、涼はどうしようもないヤツだ。
俺が帰るときまだアイツは職員室にいた。
ってことはアレか?
この紙、わざわざ朝家を出る前に置いてったのか?
随分手の込んだことをしてくれるじゃないか。
覚えてろよ、涼。
俺は心の中でそう呟いた。
『奈々、ゆっくりしといてな』
部屋を出てキッチンに向かう。
「あ、手伝うよ」
そう言って奈々は上着を脱ごうとした。
『いや、座っといていいよ。』
そう言うと奈々は素直にソファに座り直した。
前、野菜を切るのに苦労してたからな、奈々は。
だから今回は待っててもらうことにしたんだ。
リビングからはテレビの音が聞こえる。
俺はひたすらに手を動かし、30分もしないうちに完成させた。
ついでに俺お手製のデミグラスソースなんて作ってみる。


