『こちらが橋野 奈々(ハシノ ナナ)先生です』 少し俯いていた彼女は教頭に名前を呼ばれ顔を上げる。 その瞬間、俺と目が合った。 彼女は一瞬だけ目を見開いたがすぐに頭を下げて 「よろしくお願いします」 と、言った。 『それでは今から来年度の教科担当と担任を発表しますね。』 彼女と中川先生は職員室の端のほうに立っている。 俺は胸の中でひたすら祈っていた。 『彼女と同じ学年を持てますように』 と…